【読了】『夜行観覧車』湊かなえ

大好きな湊かなえさんの作品

久しぶりにふと手に取って読んでみました。

 

読んでいる途中で、ものすごく気持ちが悪く……

そうそう、この感覚、前に読んだ時も同じ感覚に陥ったんだった。

 

ずいぶん前ですが、ドラマ化もされてました。

2013年ーーー

当時は見ていないのだけれど、杉咲花ちゃんがかわいらしくて、

小説を読んだときに、こんな役を杉咲花ちゃんが!?と思った記憶があります。

ちらりと見たときに夏木マリさんの演技にくぎ付けになったことも。

あのきれいな男の子は中川大志くんだったのかー、と今になって納得です。

 

==========以下、ネタバレ(かもな部分も)あります==========

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく登場人物が気持ちが悪い。

みんなものすごく気持ちが悪い。

 

なにがこんなに気持ち悪いのだと考えてみたけれど、

信じられないくらいみんな自分勝手。

わがままとか、非常識とか、そういうのじゃなくて、とても自己中心的。

 

遠藤家の3人と、小島さんの自己中心さ、自己愛の強さと言ったら、

本当に読んでいて気持ちが悪くなる…

とはいえ、この4人、別にずっと自分勝手というわけでもなく、

現実世界でこんな人がいたら近寄りたくない!なんてほどじゃない。

(いや、小島さんはどうかな…笑)

 

それぞれの目線で物語が語られるので、

読んでいるこちらにはその心の内が分かるけれど、

実際に自分の近くにこんな人たちがいても、その自己中心さには気が付かないかもしれない。

 

しかも時々、ものすごくまっとうなことを言う。

常識と非常識の間を行ったり来たりしている感じ。

まわりが見えず、自分に疑問を持たず、ひらひらふらふらと動き回る姿にめまいがする。

 

加害者とその家族であり被害者とその家族でもある高橋家、

こちらもまともかと言われると…

遠藤家と小島さんに比べるとまったくそんなことはないんだけど、

時折どうしてだか、なにかがざらっとするような感覚に陥る。

 

だけどみんな、特別に自己中心的かというとそうでもなくて、

人間ってこういう生き物なんだろうなと思わされて、くらくらする。

 

 

 

ただひたすらに、マーくんの妻・里奈さんに同情した……

 

湊かなえさん、容赦なく後味悪いから、大好きです。